火山って何?

さて、火山についての解説をしていくけれど、まず最初はタイトル通り…

火山って何?

というところから話していこうかな。

 

…と書いた直後だけれど、まず結論としては

火山とは、地下のマグマの影響によって形成された地形

って感じかな。えっと、これを先に言っておくと話が進めやすくて…

 

 

火山=山?

みんなは火山と聞いて、どんな地形を想像するかな?日本で最も有名な火山の1つである富士山や、活発な噴火をしてきた桜島、近年では海底から噴火して溶岩を流した西之島などを思い浮かべる人が多いかもしれないね。これらの火山たちは地表から(または海底から)盛り上がっている山だよね。確かに火山の中には、そういう山になっているものもあるんだよ。

これら山の地形となっている火山はそのほとんどが、噴火によって噴出物が火口の周りに降り積もって出来た丘(火砕丘)だったり、溶岩が噴出した地点の辺りで盛り上がって形成された丘(溶岩ドーム)そして、それらがいくつも重なって形成された山なんだよ。

時々、地上付近に上がってきたマグマが地面を押し上げて丘の地形を作って…だけれど溶岩そのものは地上にほとんど出てこないことがあるんだよね。こういったものは潜在ドームと呼ばれているんだよ。溶岩ドームの出来損ないって感じかな。

 

ただ、こういった山の地形だけが火山じゃないんだよね…

 

 

たとえば、さっき紹介した桜島の北側…鹿児島湾のいちばん奥の部分は、姶良カルデラという火山なんだよ。南北約17km、東西約23kmにもなる日本有数のカルデラなんだよね。桜島の本体みたいな火山かな。

 

ここで、出てきた単語の紹介を…カルデラとは、噴火やマグマの移動などの火山活動で形成された、円形または馬蹄形(U字の形)の窪みをもつ地形なんだよ。日本だと、だいたい直径2km以上のものがカルデラ、それ以下の大きさだと火口って呼ばれる事が多いかな。

このカルデラという単語、スペイン領のカナリア諸島で「鍋」や「釜」を意味する現地語なんだよね。そこにある火山地形がカルデラと呼ばれていたのが由来なんだよ。

カルデラは山の頂上に存在することもあるんだけれど、あまりにも大きいと姶良カルデラみたいに山の地形を成さないこともあるんだよ。

 

さて、姶良カルデラは約2万9000年前に巨大噴火を起こして、地下のマグマが一気に地上へと噴出したと考えられているんだよね。その時に地下にあるマグマ溜まりが空になって、地表が陥没して形成されたのが巨大なカルデラなんだよ。

こういう経緯だから、姶良カルデラも立派な「火山」なんだよね。

 

山じゃないのに「火山」とはこれ如何に…って感じだけれど、もともと江戸時代くらいまでは日本語で「火山」という単語は存在しなかったんだよね。それが明治維新以降に海外の知識が入ってくる段階で、英語のvolcano、ドイツ語だとVulkanと呼ばれている単語に対する訳語として「火山」があてられたんだよ。今ではvolcanoにカルデラなど山以外の地形も含まれているから、日本語の「火山」にもカルデラなどが入っているんだよ。

 

ちなみに、volcanoという単語の由来はイタリアにあるヴルカーノ(vulcano)という島/火山の名前なんだよね。さらに遡れば、その島はローマ神話のウルカヌスという火と鍛冶の神様が由来なんだよ。ヴルカーノ島に、その神様が居ると信じられてきたんだよね。

 

 

 

という感じで、この記事では火山というものがいったい何なのか…その最初の部分について触れてみたんだよ。けっこう脱線しちゃったかもだけれど…

覚えてほしいことは、マグマがいろんな活動をして形成された地形すべてが火山という事だよ。必ずしも山になっていなくてもいいんだよね。

次の記事では、火山の分類などについて話そうかな。